1→1) HIVウイルス感染によって起こる。
この選択肢は正しいです。後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされます。HIVは、感染した人の血液、性的分泌液、母乳などを介して他人に伝わることがあります。ウイルスは免疫システムの重要な要素であるCD4+T細胞を破壊し、免疫機能の低下を引き起こします。
2) CD8+T細胞が選択的に傷害される。
この選択肢は間違っています。正解は「選択肢2」です。実際にはHIVが攻撃するのはCD4+T細胞であり、CD8+T細胞ではありません。CD4+T細胞は、免疫系における主要な役割を担っており、HIVに感染することでその数が減少し、患者の免疫機能が低下しAIDSに至ります。CD8+T細胞は、感染細胞やがん細胞を攻撃する役割を持つサイトトキシックT細胞であり、直接的にはHIVの主要な標的ではありません。
3) 日和見感染を起こす。
この選択肢は正しいです。免疫機能が低下したAIDS患者は、日和見感染(opportunistic infection)と呼ばれる、通常は健康な免疫系を持つ個体には感染しないような病原体に感染しやすくなります。これらの感染はAIDSを診断する重要な指標にもなりうります。
4) 悪性リンパ腫を合併する。
この選択肢は正しいです。AIDS患者は悪性リンパ腫のリスクが増加します。免疫系が損なわれることで、がんへの抑制が弱まり、悪性リンパ腫を含む様々ながんが発症するリスクが上昇します。特にHIVが関わるカポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫などがAIDS患者の間で報告されています。