1→扁平上皮癌は、扁平上皮細胞から発生する悪性腫瘍です。扁平上皮細胞は体の多くの部位に存在しますが、特に皮膚や体の開口部の粘膜に多く見られます。以下、各選択肢について解説を行います。
1) 口腔
扁平上皮癌は口腔内で良く見られる癌の一種です。特に、口腔癌の中でもっとも多いのがこの扁平上皮癌であり、舌や口腔底、咽頭などに好発します。タバコやアルコールの消費、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染がリスク因子とされています。選択肢1が正解です。
2) 胃
胃癌の大半は腺癌であり、扁平上皮癌は胃における癌の中では非常にまれです。胃の粘膜は主に腺上皮から成り立っているため、扁平上皮癌の好発部位とは言えません。
3) 大腸
大腸癌のほとんども腺癌であり、扁平上皮癌は大腸において稀です。大腸の内壁は腺上皮から成っており、通常扁平上皮細胞はありません。
4) 子宮体部
子宮体部癌、特に子宮内膜癌は、その大部分が腺癌です。子宮頸部(子宮の入り口付近)には扁平上皮癌が発生することがありますが、子宮体部は扁平上皮癌の好発部位とは考えられていません。