1→翼状頭とは、側頭部に翼状に隆起した骨が見られる頭蓋変形を指します。この特徴は複数の疾患でみられますが、問題の選択肢から適切な疾患を選ぶ必要があります。
1) クッシング症候群:
クッシング症候群は副腎皮質ホルモンの過剰分泌により生じる状態で、肥満、高血圧、糖尿病など多彩な症状を引き起こします。頭蓋骨の変形は一般的な特徴ではなく、翼状頭と関連づけることはありません。
2) バセドウ病:
バセドウ病は甲状腺の自己免疫疾患で、過剰な甲状腺ホルモンが分泌されることで特徴づけられます。眼球突出などの眼症状は有名ですが、翼状頭はバセドウ病には関連していないため、バセドウ病が正解ではありません。
3) ターナー症候群:
ターナー症候群は女性にのみみられる染色体異常疾患で、染色体欠失により45, Xの遺伝子型を持ちます。翼状頭や短頸、両側性の浮腫などが特徴の一つとして認められます。ターナー症候群は翼状頭をきたすことがある疾患であるため、選択肢3が正解です。
4) パーキンソン病:
パーキンソン病は中枢神経系の変性により起こる疾患で、手足の震え、筋肉のこわばり、動作の遅れなどの症状があります。しかし、パーキンソン病では翼状頭のような頭蓋骨の変形は見られません。
以上の解説より、翼状頭をきたす疾患として正しいのは「選択肢3」のターナー症候群です。