1→1) 血友病は遺伝性の出血傾向を示す疾患であり、血液凝固因子の欠乏によって起こります。血友病患者では出血が起きやすく、関節や筋肉内出血もよく観察されますが、頭蓋骨の骨打ち抜き像は典型的な所見ではありません。
2) 悪性リンパ腫はリンパ系のがんの一種で、リンパ節の腫大や全身症状(発熱、体重減少、夜間の発汗など)を伴います。頭蓋骨に影響を及ぼすこともありますが、骨打ち抜き像という特徴的なX線所見は、悪性リンパ腫で見られる主な徴候ではありません。
3) 多発性骨髄腫は、骨髄で異常な形のプラズマ細胞が増殖する病気であり、健康な骨髄細胞を圧迫し、不快な骨痛や骨折、カルシウムの血中濃度上昇などを引き起こすことがあります。多発性骨髄腫では、X線で“骨打ち抜き像”がみられることが特徴的で、これは骨密度が低下し、小さな穴が空いたような像を示します。選択肢3が正解です。
4) 再生不良性貧血は、骨髄の異常により赤血球、白血球、血小板が十分に産生されない疾患です。これにより、貧血、感染症、出血傾向などが起こる可能性がありますが、頭蓋骨の骨打ち抜き像は再生不良性貧血の特徴的な所見ではありません。