第30回柔道整復師国家試験 午後65

1→手指伸筋腱皮下断裂の原因に関する誤りを解説します。 1) 手関節ガングリオン 正解です。手関節ガングリオンは液体を含んだ袋状の腫瘍であり、圧迫をすることによって痛みや不快感を与えることがありますが、これが直接的に手指伸筋腱皮下断裂の原因になるわけではありません。 2) 変形性手節症 変形性関節症は、関節軟骨の損傷や退行性変化が起こり、痛みや運動制限を引き起こす疾患です。時には関節の変形に伴い、周囲の腱にストレスがかかる可能性がありますが、これが直接的な手指伸筋腱皮下断裂の主要な原因とは言えません。 3) 関節リウマチ 関節リウマチは慢性の炎症性疾患であり、関節の腫れ、痛みを引き起こします。慢性的な炎症は周囲の腱にも影響を及ぼし、腱の病的変化や断裂を引き起こす可能性があるため、手指伸筋腱皮下断裂を引き起こす要因のひとつになりえます。 4) コーレス骨折 コーレス骨折は、手首の遠位端部に発生する特定の型の骨折であり、転倒して手をついた際に手関節が背屈することによって生じるものです。この際に骨折の力が手指伸筋腱に影響を及ぼし、腱が切断や断裂を起こす可能性があります。 選択肢1が正解です。手関節ガングリオンは手指伸筋腱皮下断裂の原因ではありません。他の選択肢に挙げられている変形性手関節症、関節リウマチ、コーレス骨折はいずれも手指の伸筋腱に影響を及ぼして断裂を引き起こす可能性があるため、誤りではありません。