1→1) 「下肢の機能が全廃する。」
大腿骨骨幹部骨折では、患者はその脚での体重支持や姿勢保持が極めて困難になるため、骨折した下肢の機能は一時的に著しく低下します。しかし、「全廃する」という表現は適切ではありません。治療後、リハビリテーションを行うことで、多くの場合はある程度の機能回復が期待できます。そのため、この選択肢は間違いではありませんが、言い回しが適切ではないため、注意が必要です。
2) 「介達外力では斜骨折となる。」
大腿骨骨幹部の骨折は、直撃外力や間接外力(介達外力)によって生じることがあります。介達外力とは、たとえば転倒して体重が大腿骨にかかることで骨折が起こるような場合です。介達外力の場合、骨折線が斜めに走る斜骨折になることが一般的です。この選択肢は正しいです。
3) 「異常膨隆がみられる。」
大腿骨骨幹部骨折では、骨折した部位の筋肉や組織の周囲に腫れや異常膨隆が見られることがあります。これは、骨折によって周囲の組織が損傷し、出血や炎症が起きることによるものです。この選択肢も正しいです。
4) 「高齢者に好発する。」
この選択肢が正解です。高齢者では骨密度の低下や骨質の劣化による骨粗鬆症が多く見られ、これにより少ない外力で骨折しやすくなります。したがって、大腿骨骨幹部骨折は高齢者に好発しやすいと言えます。しかし、この問題の文脈では「誤っている」ことを問うているため、正しい選択肢を選ぶよう求められています。その観点では、高齢者に大腿骨骨幹部骨折が好発するというのは間違いではないため、この選択肢は誤りではありません。他の選択肢が正しいもしくは適切な表現であり、問題文の要求に合わないため、誤解を招くかもしれません。従って、問題文の意図に沿った正しい解答を選ぶという点では、この選択肢は「誤っている」とは言えません。正しい解説を求める文脈では、高齢者に好発するというのは正しい事実です。