1→1) 肘頭骨折を伴いやすい。この選択肢は不正解です。肘関節の後方脱臼では肘頭骨折が伴うことは比較的まれです。より一般的には、前腕骨の骨折や靭帯損傷が伴うことがありますが、肘頭骨折と直接関連付けてこの選択肢は正解とは言えません。
2) ヒューター三角が乱れる。この選択肢が正解です。ヒューター三角(Hueter's triangle)は、肘関節を構成する回内する橈骨頭、外側上腕骨顆、および内側上腕骨顆の3点を結んだ三角形を指します。肘関節の後方脱臼は、このヒューター三角の形の乱れを引き起こし、骨の位置関係の異常が発生するため、診断の重要な指標になります。
3) 上腕二頭筋が索状に触れる。この選択肢は不正解です。上腕二頭筋が索状に触れるのは、上腕二頭筋腱の異常または断裂の場合にしばしば見られる症状であり、肘関節後方脱臼とは直接的な関係がありません。
4) 肘関節90度で弾発性固定される。この選択肢は不正解です。弾発性固定は、肘関節が特定の角度でロックし、動くとポップする感覚がある状態を指します。これは肘関節後方脱臼の一般的な特徴ではありません。肘関節後方脱臼では、肘関節の背側に腫脹や変形を観察することが一般にありますが、90度での特定の弾発性固定される状態とは限定して言及されていません。
したがって、選択肢2が正解です。ヒューター三角の乱れは、肘関節後方脱臼の特徴的な所見の一つです。