第30回国家試験 午後111
23歳の女性。自宅の階段を踏み外して右膝関節を捻った。受傷直後は膝関節外側部に膨隆がみられたが、来所時には膨隆が消失していた。これまでも同じような症状が繰り返しあった。
考えられるのはどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→1) サギングがみられる。
サギング(前脛骨亜脱臼)は、膝関節が正常な解剖学的位置から前方に移動している状態を指します。これは通常、前十字靭帯の損傷によって引き起こされる。本ケースでは、受傷直後に外側に膨隆が見られたが、サギングについては言及されていないため、これが問題の症状と断定するには情報が不足しています。
2) 前方引き出しテストが陽性である。
前方引き出しテストは、前十字靭帯の損傷を検出するためのテストです。患者が上体を仰向けにして膝を曲げた状態で施行し、膝関節において大腿骨に対して脛骨が通常よりも前方に引き出されるかどうかを評価します。しかし、このテストによる評価の結果や前十字靭帯の損傷についての言及がないため、この選択肢が正しいとは限りません。
3) アプリヘンションサインがみられる。
アプリヘンションテストは、膝蓋骨脱臼に際して実施されるテストで、膝蓋骨が脱臼する動きを模擬するときに違和感や恐怖を患者が表すことをチェックします。来所時に膨隆が消失していることと、これまで繰り返し同様の症状があったことから、膝蓋骨の不安定性や再発性脱臼が考えられるため、この選択肢が最も妥当なものとされます。
4) 膝蓋骨外側部に圧痛がある。
受傷直後の外側膝の膨隆との関連で、膝蓋骨外側部に圧痛がある可能性を指摘できるかもしれませんが、このケースでは再発性の症状との関連性が明記されているため、単独でこの選択肢は正答とは考えにくいです。
正解は「選択肢3」です。