第30回国家試験 午後113
13歳の男子。野球部の投手で右投げである。2週前から右肘関節内側に痛みを自覚した。診断は右肘内側側副靱帯損傷であった。一番負担のかかっていた投球動作区分はどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→1) ワインドアップ期
ワインドアップ期は投球動作の初期で、体のリズムを作り出すための動作期間です。この段階ではまだボールに強い力が加わっていないので、肘への負担は比較的小さいものとされます。
2) 加速期
正解は選択肢2です。加速期はピッチング動作中で肘に最も負担がかかるとされる期間です。内側側副靭帯は肘関節の安定化に寄与しており、投球時に肘がストレスを受ける際にも保護する役割を果たしています。特に加速期には投手がボールを加速させるために大きな力が肘にかかり、内側側副靭帯に大きなストレスが生じやすいため、ここで損傷が起こりやすいと考えられます。
3) フォロースルー期
フォロースルー期は、ボールを投げた後の体の動きを指し、投手がバランスを取りながら動きの流れを自然に終える段階です。この時点で肘は相対的に安静状態に戻りつつあり、痛みや損傷が起こる可能性は減少します。
4) リリース期
リリース期は、ボールが手から離れる直前の瞬間を指します。この期間にも肘には一定の圧力がかかりますが、加速期ほどではありません。リリース時の不適切な動きは、肘への不要な負担につながることもありますが、内側側副靭帯損傷に関連する最大のストレスは加速期に見られることが多いです。