第30回国家試験 午後115
20歳の男性。中華料理店でアルバイトをしている。最近、中華鍋を振る際、左手関節橈側付近に激しい痛みを自覚したため来所した。患部に熱感と腫脹がみられ、フィンケルスタインテストは陽性であった。
物理療法で適切なのはどれか。
正解!
不正解 答え 4
1→1) ホットパック療法は、温熱療法の一種で、筋肉の弛緩や血行を促進するために用いられることがあります。しかし、患者が激しい痛みとともに熱感と腫脹を訴えている場合、これは急性期の兆候であり、温熱療法は炎症を増悪させる可能性があるため、適切ではありません。
2) マイクロ波療法も温熱を利用した物理療法です。深部加熱を促進して血流改善や代謝促進に効果を発揮しますが、これも炎症のある急性期には避けるべき治療です。急性炎症の存在下での温熱は症状を悪化させるおそれがあるため、この場での使用は適切ではありません。
3) 局所浴療法は特定部位のみを温水につけることによって温める治療法ですが、これも温熱療法の一種であり急性炎症時には推奨されません。局所浴療法で温めることで痛みや炎症が増悪する可能性があるため、このケースでは避けるべきです。
4) 寒冷療法は、炎症や痛みを抑制するために使用される冷却療法です。急性炎症時には血管収縮を助けて局所的な代謝活動を低下させ、痛みと腫脹を軽減するのに有効です。フィンケルスタインテストの陽性は、患者がDe Quervain病などの腱鞘炎を示唆している可能性があり、このような急性の腱周囲炎には冷却が好ましい選択となります。したがって、選択肢4が正解です。