第30回国家試験 午後119
22歳の女性。バスケットボールの試合でジャンプシュート時、体幹を捻じりながら着地した瞬間に右膝が崩れ断裂音を自覚した。膝関節屈曲制限と荷重不能で試合続行は不可能であった。
考えられる靱帯損傷はどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→1) 内側側副靱帯
内側側副靱帯の損傷は膝関節が外側への力を受けた際に起こることが多いです。このケースでは、着地の際に断裂音が発生しており、荷重不能といった症状が出ているため、内側側副靱帯の損傷だけでは症状が説明しにくいです。
2) 外側側副靱帯
外側側副靱帯の損傷は、膝関節に内側からの力を受けた場合に起こることが多くです。ただし、このケースではジャンプシュート時に体幹を捻じりながらの着地という特徴的な動作が関連しているため、単独で外側副側靱帯が損傷するとは考えにくいです。
3) 前十字靱帯
選択肢3が正解です。前十字靱帯は膝関節の前方から後方への不安定性を防ぐ役割があり、特にジャンプからの着地や体幹を捻じる動作中に損傷することがあります。このケースでは断裂音を自覚し、膝関節の屈曲制限と荷重不能の症状が出ています。これらの症状は前十字靱帯損傷の特徴的な症状であり、試合中の動作から考えても前十字靱帯の損傷が疑われます。
4) 後十字靱带
後十字靱带の損傷は膝が屈曲した状態で脛骨が後方に打撃を受けた際に発生することが多いです。このケースの患者さんは、ジャンプシュート時の捻じりながらの着地で症状が出現しており、後十字靱带損傷を直接示唆するような状況ではありません。そのため、後十字靱带損傷はこの場合には最も考えにくい選択肢です。