1→1) 鵞足
鵞足またはペサ・アンセリヌスは、大腿内側部の筋肉である縫工筋、薄筋、半腱様筋が脛骨の内側部に付着している部分です。膝関節内側側副靭帯損傷と鵞足との関連は筋肉の損傷や腱の問題としては考えられるものの、足背部のしびれに直結する神経の圧迫部位とするには不適切です。
2) 腓骨頭
腓骨頭の周辺は腓骨神経が走っており、この神経が何らかの形で圧迫を受けると足背側に症状が現れることがあります。足背部のしびれは、腓骨神経がその支配領域である足背側の感覚を担っているため、腓骨頭での圧迫が疑われます。ギプス固定によって場合によっては腓骨神経の圧迫が生じる場合があるため、足背部にしびれが生じる原因として最も妥当です。選択肢2が正解です。
3) 脛骨粗面
脛骨粗面は脛骨の前面にある突起で、こちらには大腿四頭筋の腱が付着しています。腓骨頭や鵞足と同様に膝関節の機能には関係していますが、足背部のしびれを誘発する主要な神経は通過していないため、圧迫部位と考えるのは不適切です。
4) 大腿骨外側上顆
大腿骨外側上顆は膝関節の外側に位置しており、外側側副靭帯などが付着しています。しかし、大腿骨外側上顆が圧迫されることによって足背部にしびれが生じるという直接的な病態は通常考えにくく、この部位が圧迫されることによる神経障害としては適切ではありません。