1→1) 球形嚢
球形嚢は、平衡感覚に関与する内耳の中の構造物ですが、水平回転を感知するのではなく、重力による頭の位置変化や直線加速度を感じる役割があります。そのため、水平回転の開始に応答するとはいえません。
2) 卵形嚢
卵形嚢も内耳の平衡器官の一部で、球形嚢と同様に、重力や直線運動に応答するとされていますが、これも水平回転を感知する構造ではありません。
3) 半規管
半規管は内耳にある3つの輪っかのような構造で、それぞれが異なる平面に位置しており、頭部の回転運動を感知します。三半規管があることで前後、上下、左右の全ての方向の回転を検知することができるのです。特に水平半規管は、頭部の水平方向の回転運動に対して最も敏感に反応します。ですので、頭部の水平回転の開始に応答するのは半規管です。選択肢3が正解です。
4) コルチ器
コルチ器は、内耳に収められた聴覚に関与する器官であり、音を感知するための構造です。平衡感覚や頭部の運動を検知する機能は持ちません。従って、頭部の水平回転の開始に応答する機能はありません。