1→1) 肉芽形成で炎症治癒は終結する。
この選択肢は誤りです。炎症治癒の過程では、肉芽形成は重要な段階の一つですが、肉芽組織が形成された後も、この組織自体が線維化し成熟する必要があります。この線維化の過程を経て、瘢痕組織が形成されることで治癒は完了します。
2) 線維化は細胞傷害直後にみられる反応である。
この選択肢も誤りです。線維化は炎症の後期過程でみられる現象です。細胞傷害直後に起こるのは、むしろ血管の透過性の増加や、白血球の活性化などの炎症の初期反応です。
3) 細胞傷害によって毛細血管の透過性亢進が起こる。
この選択肢が正解です。細胞傷害に伴い、体は損傷部位での炎症反応を引き起こします。その一環として、毛細血管の透過性が亢進し、血管外に炎症に関与する各種細胞や血漿成分が遊出することがあります。これにより、損傷部位での白血球の集積、炎症物質の放出、組織修復のための細胞間の通信が活発化します。
4) 急性炎症ではリンパ球が血管外に遊出し、遅れて好中球が遊出する。
この選択肢は誤りです。実際には、急性炎症において初期に血管外に遊出するのは好中球が主であり、リンパ球の遊出は相対的に遅れて起こります。急性炎症の初期段階では、好中球が迅速に反応して細菌などの異物を取り除くために活動し、やがて、より持続的な免疫応答を担うリンパ球が関与するようになります。