1→胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome:TOS)の診断に使用される誘発テストには様々なものがありますが、下記のように解説します。
1) ジャクソン
ジャクソンテストは胸郭出口症候群の誘発テストではありません。このテストは頚椎の問題、特に椎間板ヘルニアや神経根の障害を評価するために使われるテストです。患者の頭部を側方及び回旋させた状態で圧迫を加えることで、頚部の症状を誘発することを目的としています。そのため、胸郭出口症候群の誘発テストとしては適していません。選択肢1が正解です。
2) モーリー
モーリーテストは胸郭出口症候群の評価に用いられる誘発テストの一つです。このテストでは患者の腕を背後に組ませ、肩を外転・外旋させ、その状態で患者に深呼吸をさせます。胸郭出口症候群を示唆する症状が悪化するかどうかを観察します。
3) ライト
ライトテスト(または胸郭アウトレットテスト)も胸郭出口症候群のスクリーニングに用いられるテストです。このテストでは患者の両腕を上方へ持ち上げて頸部を伸ばし、両腕が地面と平行になるまで外転します。この動作により、腕神経叢や血管が狭まった胸郭の出口部分に圧迫され、胸郭出口症候群の症状が誘発されることがあります。
4) エデン
エデンテスト(またはコストクラビキュラーテスト)も胸郭出口症候群の診断に使われる誘発テストです。患者に深呼吸をさせるか、肩を力強く下方へ引き下ろし、鎖骨と第一肋骨の間を圧迫することで、神経の圧迫を模擬します。症状の誘発を観察することにより、胸郭出口症候群の存在を推定します。
以上のように、選択肢2、3、4はすべて胸郭出口症候群の誘発テストであり、選択肢1のジャクソンテストは胸郭出口症候群の誘発テストではないため、選択肢1が正解です。