1→大腿骨骨幹部骨折における骨片の変位は、周囲の筋肉の収縮方向や重力による影響を受けます。
1) 近位1/3部骨折の近位骨片は内転する。
この選択肢は誤りです。大腿骨の近位1/3部の骨折では、大殿筋と中殿筋の作用により近位骨片は外転と外旋の方向に変位しやすいです。そのため、内転は起こりにくいです。
選択肢2が正解です。近位1/3部骨折の遠位骨片は外旋するとされています。これは、骨折部より遠位側に位置する大腿四頭筋等の筋群の引きにより、遠位の骨片が外旋する傾向にあるためです。
3) 中央1/3部骨折の近位骨片は外転する。
この選択肢も間違いです。中央1/3部の骨折では、近位骨片は大殿筋の作用により外旋する傾向にありますが、外転するという記述は正確ではありません。外転よりは外旋が主な変位の方向です。
4) 中央1/3部骨折の近位骨片は内旋する。
この選択肢も誤りです。前述の通り、大殿筋の作用により外旋するのが一般的です。内旋するという記述は大腿骨骨幹部骨折において適切ではありません。
したがって、この問題の正解は選択肢2「近位1/3部骨折の遠位骨片は外旋する」です。