1→顎関節前方脱臼についての解説を以下に示します。
1) 男性に多い。
実際には、顎関節の脱臼は女性に多く見られることが一般的です。これは女性の方が顎関節周囲の靭帯が弛緩しやすい傾向があるためです。したがって、この選択肢は正しくありません。
2) 関節包は破れることが多い。
顎関節前方脱臼の際、関節包が破れることは稀です。脱臼が発生する際に関節包は伸ばされることはあっても、必ずしも破損するわけではありません。この選択肢も正しいとは言えません。
3) 関節窩の前方に関節頭を触知する。
顎関節前方脱臼においては、関節頭がその正常な位置から前方へ移動してしまいます。この状態では関節窩の前方で関節頭を触知することができるので、この選択肢が正しいとされています。選択肢3が正解です。
4) 片側脱臼では口の開閉は不能となる。
実際には、片側脱臼の場合、口を開けることは困難ですが、完全に不可能というわけではありません。残りの健全な側の関節が機能するため、不完全ながら口の開閉は可能です。そのため、この選択肢は間違いです。
以上の解説から、顎関節前方脱臼において正しいのは「選択肢3) 関節窩の前方に関節頭を触知する。」であることが分かります。選択肢3が正解です。