1→1) 骨盤骨骨折の合併
骨盤骨骨折は股関節後方脱臼時において整復の障害になる可能性がある。周囲の骨構造の損傷が整復過程において、関節の正常な位置関係を復元することを難しくする可能性があるためです。
2) 大腿骨頭靱帯の断裂
大腿骨頭靱帯の断裂は整復障害とは直接関係ありません。この靱帯は、大腿骨頭にあるヒトでは退化している靱帯であり、股関節の安定性にはあまり寄与していません。よって、整復障害の要因とはなりえないため、選択肢2が正解です。
3) 関節包裂孔部の狭小
関節包裂孔部の狭小は脱臼を再整復する際に障害となり得る。脱臼によって関節包が裂けることがあり、その裂孔の部分が狭小だと関節構造が正常な位置に戻りにくくなるためです。
4) 骨頭と関節窩の間の筋の介在
骨頭と関節窩の間に筋肉が挟まることは整復を難しくする原因のひとつです。脱臼した際に周囲の筋肉が関節間に侵入し、それが障害となって骨が元の位置に戻りにくくなるケースがあります。
正解は選択肢2です。大腿骨頭靱帯の断裂は整復障害の要因とはなりえないため、正解は選択肢2が正解です。