1→1) 大腿骨が前方に脱臼する。
膝関節の前方脱臼では、大腿骨ではなく、脛骨が大腿骨に対して前方へと移動することが一般的です。従って、この選択肢は誤りです。
2) ダッシュボード損傷が多い。
ダッシュボード損傷は膝関節の後方脱臼に関連しています。車における正面衝突時に、ダッシュボードが膝に直接衝突することによって発生します。前方脱臼とは異なるメカニズムですので、この選択肢も誤りです。
3) 膝窩動脈損傷に注意する。
膝関節の前方脱臼においては、膝窩動脈損傷のリスクが高くなります。膝窩動脈は膝関節のすぐ近くを通るため、脱臼時に損傷を受けやすいのです。足の血行不良や感覚異常、運動障害などの合併症につながる可能性があるため、診断、治療においては慎重な評価が必要です。選択肢3が正解です。
4) 前方関節包が損傷する。
膝関節の前方脱臼においては、後方の靭帯や関節包などの損傷が主であり、前方関節包の損傷は頻度としては少ないです。前方脱臼において関節包の損傷が生じる場合でも、より多く発生する損傷は後十字靭帯や後方の関節構造です。したがって、この選択肢も誤りです。