第32回国家試験 午後116
35歳の男性。テニス中に転がっていたボールを踏み転倒し、右母指を外転強制された。MP関節の圧痛、運動痛、側方動揺性がみられる。医科での単純エックス線検査では骨損傷は確認されなかった。正しいのはどれか。
正解!
不正解 答え 1
1→1) MP関節伸展位で固定する。
- 正解です。母指のMP(中手指節)関節の捻挫や軽度の裂傷の疑いがある場合、関節を安定させ、適切な位置で治癒を助けるために一定期間固定する必要があります。通常は機能的な位置、つまりやや屈曲した伸展位で固定され、これにより関節の適切な治癒と、将来の正常な機能回復のバランスを図ります。
2) ステナー損傷が必発する。
- こちらは不正解です。ステナー損傷は母指の靱帯損傷、特に完全な剥離の際に見られるものですが、毎回発生するわけではありません。提示されたケースの情報だけではステナー損傷があるかどうか確定的な診断はできません。
3) IP関節に弾発現象が現れる。
- こちらも不正解です。弾発現象は、特定の病態、例えばトリガーフィンガー(引っかかり指)で見られる現象ですが、提示されたケースでは母指MP関節に問題が発生しているため、IP(指節間)関節に弾発現象が直接関連するとは考えにくいです。
4) IP関節伸展位で副靱帯は弛緩する。
- 不正解です。通常、関節が伸展位にあるとき、副靱帯はテンションを保持しています。関節が屈曲位にあるとき、特に最大の屈曲時に副靱帯は弛緩することがあります。ですが、この文脈ではMP関節に注目しており、IP関節及び副靭帯の状態については言及されていません。