第32回国家試験 午後117
34歳の女性。ジムでチューブトレーニング中、右第2MP関節が突然動かなくなり来所した。屈曲は可能だが、伸展が不能であった。触診では同部の手掌橈側に圧痛がみられた。腫瘤や瘢痕はない。考えられるのはどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→1) オーバーラッピングフィンガー
この選択肢は誤りです。オーバーラッピングフィンガーは、指の変形や位置異常を伴い、通常は他の指と重なるようになる状態であり、ここでの症例のように伸展不能を特徴とした症状だけで発症することはありません。
2) ロッキングフィンガー
ロッキングフィンガーは、指の屈筋腱と関節包が関連して発生する状況であり、関節の動きが制限され、特に伸展が不能になることがあります。圧痛もしばしば見られるため、この症例の症状と一致します。選択肢2が正解です。
3) マレットフィンガー
マレットフィンガーは、指の末節骨を伸展する筋腱の損傷により生じるため、末節指節関節での急性の伸展不能を特徴とします。手掌橈側の圧痛や関節の可動域に制限があるとは一般に考えられません。したがってこの症例には当てはまらず、誤りです。
4) スナッピングフィンガー
スナッピングフィンガーは、屈筋腱が関節をスムーズに動かすことができず、特に屈曲時に「スナップ」音や感覚を伴うことが多い状態です。しかし、この症例では伸展ができないという点が報告されており、スナッピングフィンガーの特徴とは異なります。選択肢4も誤りです。