1→スラップ損傷とは、肩関節の関節唇(ラブラム)に起こる特定のタイプの断裂です。これは肩関節の一番上、すなわち僧帽筋と関節唇が付着する部分で起きることが多いです。これは投球動作など、上腕骨の反復する過度な頭上運動によって生じることが多いとされています。以下、各選択肢について説明します。
1) 上方 - スラップ損傷は関節唇の上方で発生することが多く、これはスーペリア・ラブラム前後方断裂(Superior Labral tear from Anterior to Posterior)すなわちSLAP損傷とも呼ばれます。選択肢1が正解です。
2) 下方 - 関節唇の下方での損傷はスラップ損傷よりは珍しく、通常は他の肩の病態、例えば上腕骨頭の脱臼に伴うもので見られます。
3) 前方 - 関節唇の前方での損傷は銜接唇損傷(バンカート損傷)と呼ばれ、肩関節の前方脱臼と関連していますが、これはスラップ損傷とは別のタイプの損傷です。
4) 後方 - 関節唇の後方での損傷も、スラップ損傷とは異なるものであり、後方への肩関節脱臼時に発生することがありますが、これは逆バンカート損傷とも呼ばれることがあります。
よって、スラップ損傷で最も頻繁に関節唇の断裂が見られるのは上方であり、選択肢1が正解です。