第31回柔道整復師国家試験 午後11

1→正解は「2.熱中症」です。これがWBGT（湿球黒球温度）値を用いて発症を予防する状況として適切である理由を説明します。 選択肢1：潜函病 潜函病は感染症の一種で、通常は特定の感染症の発症を防ぐために早期診断や予防接種が行われます。WBGT値は環境温度に関連する指標であり、潜函病の予防に直接的に利用されるものではありません。この選択肢は不正確です。 選択肢2：熱中症 熱中症は、高温環境に長時間さらされることで体の熱調節機能が追いつかずに起こる状態です。WBGT値は、気温、湿度、日射の影響を考慮した熱ストレス指標であり、屋外作業やスポーツイベントなどで熱中症のリスク評価と予防策の基準として使用されます。この選択肢は正確で、答えとして正しいです。 選択肢3：騒音性難聴 騒音性難聴は、長期間にわたる過度な騒音曝露によって引き起こされる聴覚障害です。この状態の予防には、騒音レベルの管理や適切な聴覚保護具の使用が効果的ですが、WBGT値は熱環境の評価に関連するため、騒音性難聴の予防とは関係ありません。この選択肢も不正確です。 選択肢4：頸肩腕症候群 頸肩腕症候群は、デスクワークや物理的なストレスが原因で起こる肩や腕の痛みや不快感を特徴とする症状群です。この症候群の予防には、適切な作業環境の整備や体勢の改善が重要ですが、WBGT値は熱ストレスの評価に使われるため、この症候群の予防とは直接関連しません。 以上の解説から、WBGT値が特に熱中症の予防に有効であることが確認できます。この指標を用いて高温環境下での活動時の安全管理を行うことが重要です。