1→健常者で聴取されない心音として正しいのは「4.Ⅳ音」です。以下に各選択肢の解説を示します。
選択肢1:Ⅰ音
Ⅰ音は、心臓の心拍サイクルの中で最初に聞かれる音です。これは心臓の心房と心室の間の僧帽弁と三尖弁が閉じる際に発生します。この音は、心室収縮の開始と一致し、正常な心臓機能の指標の一つです。
選択肢2:Ⅱ音
Ⅱ音は、心室収縮後の心室拡張初期に大動脈弁と肺動脈弁が閉じる際に発生します。この音は心室の圧力が大動脈や肺動脈の圧力より低くなったときに聞かれ、正常な心臓活動の一部です。
選択肢3:Ⅲ音
Ⅲ音は、特に若い人や運動選手で聞かれることがあります。これは心室の急速な充填によって発生する低周波の音ですが、通常は健康な成人では明瞭ではありません。しかし、特定の心臓状態や病態ではⅢ音が強調されることがあります。
選択肢4:Ⅳ音
Ⅳ音は、心房収縮の際に心室が受ける最終的な血液の流入に関連して発生します。この音は、通常、健常な成人では聞かれません。Ⅳ音が聞かれる場合は、心室の拡張能が低下している状態を示唆しており、心筋症や高血圧病などの心疾患の徴候となることがあります。
以上の解説から、健常者では通常聴取されない心音は「Ⅳ音」であり、これが聴取される場合は、通常、心臓の病的な状態を反映しています。これは特に心室の拡張機能障害を示す可能性があるため、詳細な診断と評価が必要です。