1→脱臼の合併症を考えるとき、直接の損傷だけでなく、脱臼による周辺構造の障害も考えられます。
1) 弾発指
弾発指は、指の屈曲や伸展時に指が引っかかり、その後に「ポン」と跳ねるように動く状態を指します。これは通常、腱や腱鞘に関連する問題で起こるもので、特に脱臼とは直接関連しないため、脱臼の典型的な合併症ではありません。
2) 母指の屈曲障害
母指の屈曲障害は、指の基底部近くの関節(特に親指のCM関節)の問題で起こり得ますが、脱臼の直接的な合併症ではなく、一般には違う原因、例えば、リウマチや腱鞘炎などで見られる症状です。
3) スワンネック変形
スワンネック変形は、指の中間関節が過伸展し、末梢関節が屈曲した状態を指します。この変形はリウマチ性疾患などで見られることが多く、脱臼による直接の合併症とは一般的には考えられません。
4) 手関節尺側の疼痛
手関節尺側の疼痛は、手関節(腕を手につなぐ関節)の尺側(小指側)に痛みがある状態を指します。手関節の脱臼やそれに伴う尺側構造(例えば三角線維軟骨複合体、TFCCなど)への影響によって生じることがあります。脱臼によって関節周囲の靭帯や軟骨が損傷することで、手関節尺側の疼痛という合併症が発生することがあります。
したがって、脱臼の合併症として最も関連があるのは、「選択肢4が正解です」。