1→柔道整復師国家試験では神経機能に関する問題が出題されますが、尺骨神経管での絞扼によって生じる症状についての問いは神経の圧迫や障害についての理解を問われています。以下、それぞれの選択肢について解説します。
1) 限局性圧痛
限局性圧痛は圧力が加わった特定の部位に痛みが発生する状態を指しますが、これは神経絞扼ではなく、一般に組織の炎症や外傷などによるものであることが多いです。したがって、尺骨神経管での絞扼による症状としては不適切です。
2) 異常可動性
異常可動性は関節などの異常な動きや安定性の欠如を指し、通常は靭帯の損傷や関節の脱臼などで観察される現象です。これは神経障害による症状ではないため、答えとしては不適切です。
3) 弾発性抵抗
弾発性抵抗は、たとえば「筋強剛」とも呼ばれ、筋肉に対するパッシブな伸展運動に抵抗があるものの、ある一定の力を超えると抵抗が突然ゆるんでしまう状態を指します。尺骨神経絞扼により生じうる神経性の障害症状の一つであり、しばしば筋肉のコントロール障害に関係しています。選択肢3が正解です。
4) 機能障害
機能障害は広範囲にわたる概念であり、身体の任意の部位が正常にその機能を果たせない状態を表します。尺骨神経管での絞扼に関して言えば、この機能障害は神経的な影響による手指の動きや細かい作業能力の低下として現れる可能性があります。しかし、この選択肢は感覚障害と直結するものではないため、質問の文脈では不適切です。
以上の解説から、尺骨神経管での絞扼によって見られる感覚障害の部位としては「弾発性抵抗」を伴うことがありますので、選択肢3が正解です。