第31回国家試験 午後107
25歳の男性。交通事故で右大腿骨骨幹部骨折の診断を受け、即日入院となった。呼吸状態に異常はなかったが、翌日から急に息苦しさを訴え始めた。
他に考えられる症状はどれか。
正解!
不正解 答え 4
1→答えは「4.頻脈」です。この症例では、25歳の男性が交通事故により右大腿骨骨幹部骨折を起こし、翌日から急に息苦しさを訴えるという状況が説明されています。これを踏まえて、他に考えられる症状を解説します。
選択肢1:発汗低下
発汗低下はこの状況と直接的な関連性が低いため、この症例には適切ではありません。
選択肢2:血圧上昇
骨折後に呼吸困難を訴える場合、血圧上昇よりも低下が一般的であり、この選択肢も適切とは言えません。この症例で考えられるのは、脂肪塞栓症や肺塞栓症などであり、これらは往々にして循環血量の低下を引き起こす可能性があります。
選択肢3:低体温
低体温もこのケースで特に関連する症状ではありません。肺や心臓の状態が急激に変化する場合、体温に大きな変動が生じることは一般的ではありません。
選択肢4:頻脈
急に息苦しさを訴える場合、頻脈は一般的な症状の一つです。これは低酸素状態やショック状態、痛みに対する反応として発生することが多く、特に大腿骨骨折のような重大な骨折がある場合、肺塞栓症のリスクが高まるため、この症状が出現することがあります。
以上の解説から、適切な選択肢は「4.頻脈」であり、大腿骨骨折後に起こりうる低酸素状態や肺塞栓症を考慮すると、呼吸困難と合わせて頻脈が現れることが最も一般的です。この情報は、患者の管理や治療戦略を決定する際に重要です。