第31回国家試験 午後108
74歳の女性。階段を踏み外して転倒した。次第に痛みが強くなったので翌日歩いて来所した。医科での単純エックス線検査で大腿骨頸部の骨折と診断された。 正しいのはどれか。
正解!
不正解 答え 2
1→選択肢1:大転子高位が著明である。
大転子高位は大腿骨頚部骨折によく見られる症状ですが、この情報だけでは、具体的にどのタイプの骨折であるか(例えば不全骨折か完全骨折か)に基づく著明な変位の程度を示しているわけではありません。ただし、この状況では痛みと共に腫脹が進行している可能性が高いため、この選択肢は理論的には可能性がありますが、他の選択肢と比較して最も適切なものではないかもしれません。
選択肢2:大腿近位に軽度の腫脹がある。
大腿骨頸部骨折では、しばしば周辺組織への影響で腫脹が見られます。この選択肢は非常に一般的であり、特に患者が痛みを訴え、骨折後に歩行を試みている状況では、腫脹が発生する可能性が高いです。
選択肢3:スカルパ三角部に軽度の圧痛がある。
スカルパ三角(股関節近くの解剖学的領域)に圧痛があるのは、股関節や大腿骨に関連した問題を示唆しますが、大腿骨頸部骨折で直接的にスカルパ三角部に圧痛が生じるとは限らないため、この選択肢は他のより特異的な症状を持つ選択肢と比較して適切ではありません。
選択肢4:観血療法の絶対的な適応となる。
大腿骨頸部骨折は高齢者において一般的に手術的介入が必要とされる状況ですが、この表現が「観血療法」という古い用語を使用していることに注意が必要です。現代医療では「手術治療」と表現されることが一般的です。
以上の分析に基づき、最も適切な答えは「2」です。大腿近位に軽度の腫脹があることは、大腿骨頸部骨折において一般的な臨床症状であり、この情況では最も適切な記述となります。