第31回国家試験 午後111
16歳の男子。フィギアスケートでジャンプに失敗し、肘伸展位で左手を衝き受傷した。肘頭が後方に突出した外観を呈している。 正しいのはどれか。
正解!
不正解 答え 3
1→答えは「3.内側上顆骨折を合併しやすい」です。この問題は、フィギュアスケートでの転倒後に肘頭が後方に突出する外観を呈した場合の診断と、可能な合併症について問われています。
選択肢1:肘関節屈伸運動で異常可動性を触知する。
肘関節の後方脱臼では、異常可動性を感じることがありますが、それは脱臼そのものによるものであり、本選択肢が直接正しいとは限りません。通常、脱臼の診断は視診とX線検査により確定されます。
選択肢2:上腕筋腱の索状隆起を触知する。
この選択肢は肘頭の後方脱臼と関連性が低いです。上腕筋腱の問題は別の症状や障害を示す可能性がありますが、本症例の主要な特徴とは異なります。
選択肢3:内側上顆骨折を合併しやすい。
肘頭の後方脱臼は、しばしば内側上顆の骨折を合併します。これは肘の構造と脱臼時の力のかかり方によって内側上顆が骨折しやすいためです。この合併症は重要な診断ポイントであり、適切な治療を行うためにはこの点を検討する必要があります。
選択肢4:顆上骨折屈曲型との鑑別を要する。
顆上骨折は肘関節の異なるタイプの骨折を指しますが、このシナリオでは肘頭が後方に突出しているため、顆上骨折屈曲型の状況とは異なります。この選択肢は、問題の症状に直接関連していません。
したがって、正しい答えは「3.内側上顆骨折を合併しやすい」で、肘頭の後方脱臼が発生した際によく見られる合併症を指摘しています。この知識は、診断と治療計画の立案において重要です。