1→肩鎖関節上方脱臼固定を行う際の助手の位置は、患者さんの安定と効果的な固定を実現するために重要です。
1) 前方:助手が患者の前方に位置する場合、支配的な手を患者の肩に、もう一方の手を腕に置いて胸郭に対する圧迫をかけて支えることはできますが、肩鎖関節上方脱臼の場合、固定のためには患部に十分なカウンタープレッシャーを加えることが求められるため、この位置からは適切な固定が困難です。
2) 後方:肩鎖関節上方脱臼固定において、助手は患者の後方に位置することが最も適切です。助手は患者の肩鎖関節に向かって圧迫を加えつつ、脱臼した関節を上方から下方に引き戻すことにより、関節を安定化させることができます。選択肢2が正解です。
3) 健側側方:助手が患者の健側側方に位置する場合、固定する上で患部に直接手を当てることが困難になるため、適切な圧力や安定性を提供するのが不適当です。
4) 患側側方:助手が患者の患側側方に位置する場合でも、正面または後方に比べて固定の際のコントロールが難しくなります。肩鎖関節の固定は対角線上の力をかける必要があるため、この位置からでは適切な固定が行えません。
したがって、肩鎖関節上方脱臼の固定を行う際には、助手は患者の後方に位置するのが最も効果的です。選択肢2が正解です。