1→高所からの転落で肘に激しい腫脹と疼痛がある場合、最優先で確認すべき事項は、生命に重大な影響を及ぼす可能性がある循環や神経機能の障害です。
1) 手指は動くか。
手指の動きは神経機能の評価の一環となります。手指が動くかどうかを確認することで、肘に及ぼされた損傷が神経に影響を与えていないか評価できるため重要です。手根管などの特定の神経圧迫症状がある場合、これが確認されるべきですが、最初に評価すべきではないとは限りません。
2) 圧痛はどこか。
圧痛の評価は、損傷の局所化を助けるために重要です。骨折や靭帯損傷などが疑われる場合、圧痛の有無や位置を確認することにより、損傷の場所や範囲に関する情報を得られます。ただし、循環や神経の評価に比べて優先度は低いです。
3) 橈骨動脈は触知できるか。
肘の激しい腫脹と疼痛がある場合、血管が損傷を受けていないか、または循環が障害されていないかを確認することが非常に重要です。橈骨動脈の触知は、末梢循環が保たれているかを評価するために欠かせない行為であり、循環障害や損傷が起きていないことを確認するために初期評価で実施されるべきです。
4) 肘関節可動域はどの程度か。
可動域の評価は関節機能の確認には有用ですが、生命に影響を与えるような循環や神経機能の障害に対しては次に考慮すべき事項です。急性期においては、まずは患者の全身状態を把握し、より重篤な問題がないかを先に評価することが必要です。そのため、肘関節の可動域を最初に評価すべきではありません。
選択肢4が最初に評価すべきでない正解です。