1→選択肢1:横隔膜の弛緩
安静時の吸息では、横隔膜は収縮して下方に移動し、肺が拡張することで胸腔の容積が増加します。横隔膜の弛緩は吸息ではなく、呼息(息を吐く動作)で見られる現象です。したがって、この選択肢は不正確です。
選択肢2:内肋間筋の収縮
内肋間筋の収縮は、主に強制吸息時に関与します。安静時の吸息は横隔膜の収縮によって主に行われるため、この筋肉群は通常、安静時の呼吸にはそれほど活動的ではありません。したがって、この選択肢も正しい記述ではありません。
選択肢3:肺胞内圧の陰圧化
安静時の吸息で、横隔膜の収縮により胸腔内の体積が増えると、胸腔内圧が下がり、肺胞内圧も陰圧となります。これにより外部から空気が肺に流入するので、この選択肢は正確であり、安静時の吸息を正しく表しています。
選択肢4:胸膜腔内圧の陽圧化
安静時の吸息で胸膜腔内圧が陽圧となることはありません。実際には、吸息時には胸膜腔内圧が低下し(陰圧化)、これが空気を肺に引き込む主要な原因となります。したがって、この選択肢も正しくない説明です。
以上の解説から、選択肢3「肺胞内圧の陰圧化」が安静時の吸息で正しい説明であり、この問題の正解です。この現象は、肺への空気の流入を可能にする基本的な生理学的メカニズムの一部です。