1→前腕コンパートメント症候群を理解するにあたり、各選択肢ごとに解説を行います。
1) 4つの区画に分かれる。
前腕は一般に2つのコンパートメントに分けられます:前腕の屈筋群がある前腕前面(屈筋区画)と、前腕の伸筋群がある前腕後面(伸筋区画)。したがって、この選択肢は誤りです。
2) 橈側伸筋群に好発する。
橈側伸筋群は伸筋コンパートメントに位置しており、コンパートメント症候群が発生することはありますが、コンパートメント症候群が特に橈側伸筋群に好発するとは限りません。この症状は前腕のどの筋群にも影響を与えうるため、この選択肢も正確ではありません。
3) 急性型は組織間液が減少する。
急性型コンパートメント症候群では、むしろ圧迫やトラウマによって組織間液が増加することが一般的であり、これにより圧力が上昇して血流が悪化します。従って、この選択肢は間違っています。
4) 慢性型は筋膜の肥厚がみられる。
慢性コンパートメント症候群では、繰り返しの圧迫や筋肉の過度の使用により、筋膜の肥厚や硬化が起きることがあります。これは症候群の持続的な性質を反映しており、筋肉への血流が制限されることで症状が顕著になります。選択肢4が正解です。