1→まず、鼡径部痛症候群(Groin Pain Syndrome)は、主にスポーツを行う選手に見られる腹部下方の鼠径部(groin region)に感じる痛みや不快感を指します。それぞれの選択肢に対する解説は以下の通りです。
1) スポーツに関連して発生する。
これは正しいです。鼠径部痛症候群は、サッカーやアイスホッケーなどの激しい動きを要するスポーツを行う選手にしばしば見られ、急激な方向転換やキック動作などにより引き起こされます。
2) 股関節唇の損傷である。
これは誤っています。股関節唇の損傷は股関節の問題ですが、鼠径部痛症候群はそうではなく、様々な組織の傷害(例えば、内転筋、下腹部筋、鼠径部ヘルニアなど)によって引き起こされる可能性があります。したがって、必ずしも股関節唇の損傷だけを指すわけではありません。選択肢2が正解です。
3) 内転筋近位部に痛みが生じる。
これも正しいです。鼠径部痛症候群の原因の一つとして、特に内転筋群の損傷が挙げられます。これは股関節を内転させる筋肉群であり、スポーツ動作中に過度に使われることが多いため、痛みが生じやすいです。
4) 保存療法が基本である。
これも正しいです。鼠径部痛症候群の治療には、物理療法、ストレッチ、筋力強化、安静、抗炎症薬などの非外科的なアプローチが優先されます。重度の場合や保守的治療で改善が見られない場合に、手術的治療が検討されることがありますが、基本的には保存療法がまず試みられます。