第30回柔道整復師国家試験 午後116

1→選択肢1) ファーレンテスト ファーレンテストは手関節を強く屈曲し、手根管の圧迫を強めることで、手根管症候群の検査に用いられます。このケースの患者さんは手関節の掌側に膨隆と、環指・小指のしびれと疼痛、さらに手掌尺側に感覚障害が見られるため、主に尺神経に関連する症状が示されています。ファーレンテストは尺神経ではなく正中神経の圧迫に関連する試験です。 選択肢2) フローマン徴候 フローマン徴候は、手指を伸ばした状態でその指に抵抗を与えることにより、患者が手指を伸ばすことが困難な状態を示すテストです。これは、尺神経障害によって深指屈筋が影響を受けることによって見られます。本ケースでのしびれや感覚障害が尺側に見られるため、フローマン徴候が尺神経障害を示す徴候として考えられます。このため、選択肢2が正解です。 選択肢3) 尺屈回外テスト 尺屈回外テストは尺神経のトンネル症候群（キュビタルトンネル症候群）を評価するために用いられるテストです。このテストでは肘を屈曲させることで尺神経が圧迫されるかを調べます。ただし、この患者さんは手関節の問題を抱えており、肘の問題は指摘されていないため、このテストは特に該当しない可能性が高いです。 選択肢4) パーフェクトOテスト パーフェクトOテストは、患者に丸い形（"O"の形）を作るように指示し、評価者が指を外側に引っ張ることで、抵抗できるかどうかをチェックします。これは主に正中神経の評価に用いられており、このケースの像とは合致しません。尺神経障害ではなく、正中神経障害を持つ患者でこのテストが陽性になる可能性があります。