第32回国家試験 午後122
18歳の女子。バスケットボール練習中に右足部を回外強制で負傷し来所下。写真(別冊No.4)に示す部位に限局する腫脹と著名な圧痛がみられた。考えられるのはどれか。2つ選べ。
正解!
不正解 答え 1・4
1→バスケットボール練習中に回外力がかかった足部の怪我を考慮すると、この症例では主に外側の構造が損傷される可能性が高いです。写真がないため正確な部位はわかりませんが、一般的な機序と症状から以下の解説をします。
1)二分靭帯損傷: 二分靱帯は足の外側に位置する靱帯で、足関節の安定に寄与しています。回外とは足が内側に捻じれる動作を指し、この動作により足関節の外側の靱帯が損傷されることがあります。
2)踵骨前方突起骨折: 踵骨の前方突起は足の中足骨に近い部分にある突起で、同じく回外力によってストレスがかかる可能性があります。この力が適用されると、靱帯が骨から引き剥がされる際に小さな骨片を連れてくる「アボルション骨折」が生じることがあります。
3)腓骨筋腱脱臼: 腓骨筋腱の脱臼は通常、足関節の急激な捻転や曲がりによって発生しますが、腫脹や圧痛は腱が通過する溝の周囲に見られるため、写真がないと判断が困難です。
4)有痛性外脛骨: この状態は成長期に多く見られるもので、外脛骨(足の外側にある小さな骨)が成長期のストレスによって痛みを引き起こしますが、急性の負傷には通常関連していません。
したがって、選択肢1) 二分靭帯損傷と選択肢4) 踵骨前方突起骨折がこの女子選手が経験した症状に一致すると考えられます。