1→1) 高齢者では5~6週固定する。
烏口下脱臼の固定期間は年齢や脱臼の程度によって異なりますが、一般的には成人で3~4週間程度の固定が一般的です。高齢者では骨密度の低下やリハビリテーションへの耐性が低いことを考慮する必要があるため、固定期間は個別にアプローチする必要がありますが、無条件に5~6週固定するとは限りません。
2) 副子は肩関節外側面に当てる。
烏口下脱臼の場合、脱臼した肩の頭は前方や烏口下方に移動します。副子を使用する場合、目的は肩頭を適切な位置に保持することであり、このために肩関節の脱臼した方向に対して副子を配置することが一般的です。したがって、副子を外側面に当てるだけでは、烏口下脱臼の治療として不適切な場合が多いです。
3) 肩関節軽度屈曲・内旋位で固定する。
選択肢3が正解です。肩関節烏口下脱臼において、治療後の固定は肩関節の安定した位置を維持することが重要です。そのため、軽度の屈曲と内旋位で固定することが推奨されます。これにより、関節包や周囲の軟部組織が適切に安定し、再脱臼のリスクを減少させると同時に治癒を促すことができます。
4) 肩関節からMP関節手前まで固定する。
烏口下脱臼の固定方法において、一般的に肩関節から前腕の半ば(肘関節を含む)程度まで固定するのが適切です。手全体やMP(中手指関節)関節まで固定する必要はありません。過剰な固定は不必要な制限につながり、関節拘縮などの合併症のリスクを高める可能性があります。