第31回柔道整復師国家試験 午後102

1→「1.疼痛が完全になくなった」となります。以下、その解説を示します。 選択肢1：疼痛が完全になくなった 大腿部を打撲した後のスポーツ復帰の最も基本的な条件は、疼痛が完全になくなることです。疼痛の有無は、傷の治癒状態を示す重要な指標であり、痛みが完全に消失して初めて、通常の運動負荷を再開することが安全とされます。痛みがある状態でスポーツに復帰すると、再度の怪我のリスクが高まりますし、痛みを抑えるための無意識の動作変化が新たな障害を引き起こす可能性があります。 選択肢2：可動域が健側の90%まで回復した この選択肢では、可動域がほぼ正常に近い状態まで回復していることが条件とされていますが、可動域だけが復帰の判断基準では不十分です。可動域がほぼ正常であっても、疼痛が残っている場合は、傷が完全に治っていない可能性があります。 選択肢3：筋力が健側の70%まで回復した 筋力の回復もスポーツ復帰には重要ですが、疼痛の有無と同様に重要な指標です。ただし、疼痛が残っている状態で筋力がある程度回復していても、スポーツに復帰するのは危険です。 選択肢4：俊敏性が受傷前の50%のレベルに到達した 俊敏性はスポーツにおいて重要な要素ですが、このレベルの回復だけでは、スポーツ活動を安全に行うには不足しています。俊敏性が低下していると、パフォーマンス不足や怪我のリスクが増加します。 総じて、大腿部の打撲からの復帰においては、疼痛の完全な消失が最も基本的かつ重要な条件であり、他の物理的能力の回復を評価する前に、まずは疼痛がないことを確認する必要があります。